北陸地方の実践

             たんぼの草対策のその後    
                                        6月22日  塚本道夫
水田(1)  5月19日 代かき  5月20日 田植え
 代かき直後米ぬか60Kg、油粕40Kg、大豆ミール40Kgを散布(10a当)
  11日後 コナギが生える。
  25日後 コナギの数は増えているようには思えない。余り大きくならない。

水田の環境  去年まで除草剤を使用。それでもコナギは多かった。今春、大麦を生のまますき込んだ。
        そのせいで、土はぼそぼそ。水もちは悪く毎日水を入れている。面積は6a。
 
感想  効果はあったようだが、減収しないほどの効果かどうか不明。目的は、代かき
   直後はど米ぬか散布は効果があることを確かめることだったが、確かに、代かき
   後、草が見えるようになってから散布するよりはずっと効果的。それでも、コナ
   ギ、ヒエともに数は少ないけどその後発生した。
    苗は黄色くなった。水没した苗は黒くなって死んだ。稲にもかなりきつそう。

水田(2)  5月16日 代かき  5月18日 田植え

 代かき後8日日、米ぬか45Kg、12日後油粕40Kg、大豆ミール20Kgを散布(10a当たり)。
 代かき後20〜30日日、コナギヽヒエ対策に動力の除草器を使う。
  散布日当日 すでにコナギ(2葉)、ヒエ(1、5葉)は生えている。
  2日後   ドジョウ、ミミズ、タニシが死ね。
  30日後  水の深いところは、コナギが消えている。水は報っている。アオミド
       ロもいっぱいある。高い所はヒエ、コナギがある。コナギは余り大き
       くならない。水面から出たヒエは3葉以上で大きい。

水田の環境
  過去3年続けて、除草剤を使用せず米ぬかを100Kg/10a散布し
  てきた。昨春、ライ麦を鋤き込んだら、わりと土が軟らかくなった。油粕
  を入れたら、水が真っ赤になった。昨年まで水は澄んでいたが今年は水が
  滞る。水もち良0面積65a。一画の麦すき込みで土も水もがらりと変わった。

感想
 米ぬか散布時点ですでに草が生えていたので、また駄目かとガッカリした。米
ぬか散布ですでに生えたコナギが死んだとは思えないし、その後数も増えたよう
だ。油粕を振ったら、水の上に油が浮いて、水が真っ赤になった。その後も水は
濁ったままで、この効果が大きいと思う。極端に深水でなくてもコナギは消えた
ところがあるし、大きくならないのが多い。油粕の抑草効果はありそう。除草機
を使っても例年ほどコナギは浮き上がらない。
 この水田で、米ぬかや油粕散布の効果を出すには、有様物や、ボカシ肥料をい
れてトロトロの土にしておくことが必要条件と感じた。米ぬか散布で、効果があ
つたなかったというのは、代かき後の日数のほかに、土の状態の違いがありそう。
 これからの情報交換では、水田の状態をお互いに明らかにしていくと、より効果的だと思います。

水田(3)   5月12日 代かき  5月17日 田植え
  大麦のすき込み
   春に、大麦の立毛中に水を入れて、トラクターですき込んだ。11日後に荒代、そ
   の3日後に本代。

  代かき後14日目   米ぬか60Kg、発酵難糞15Kg散布(10a当たり
            ヒエ1、5葉 コナギ3葉 クログワイ発芽
  代かき後25日日   除草剤散布

水田の環境   昨年、除草剤を使用せず、コナギ、クログワイで覆われた。
       水もち良。砂地で元肥ゼロでは稲が死ぬほど地力はない。面積40a。
感想
 米ぬかでは、生えてしまった草はぴくともしない。
代かき時に大量にクログワイの挽茎が浮き上がる。はとんど中が空洞で、黒い殺
だけになっている。中が白いのが健全だと思うが、半分黄色から透明になって席
つているのもある。中が白く堅いのもある。2〜3センチの芽が出ているのもあ
つた。今春のクログワイの量は、昨春の量と同じで、昨年増えた分だけ腐ったよ
うに思う。荒代から本代までの期間を長くすればさらに効果があったかもしれな
い。麦のすき込みで苗は黄色になった。やっぱりきっそう。

お願い
 緑肥のすき込みをされている方で、クログワイがどのような影響を受けてい
るか、山下さんのところまでお知らせください。何も影響無しの報告でも構いません。私
は嬉しい反面、内心、もしかしたら嘘かもしれないとも思っています。

コナギが生えてしまったらどうするか。

(1)やっぱり動力除草横がいい。私は、2条を使っていますが、2条づっ移動するので
   はなく、1条づっ進みます。一往復して、稲の株元を両側からぎりぎりに通ること
   になるので取り残しはうんと少なくなります。1条を2回通るので効率は半分です
   が、取り残しを手で取ることを思えば糞で早く確実。だいたい全面積の手取りは無
  理。何度も除草械を回すことも不可健。馬鹿みたいに思うでしょうが、どれ程効果
   があるかは、自分でやって実感してください。
(2)稲も大きくて除草械が使えなくなってしまったら、田圃をからからに乾かす。これ
   は人に教えてもらったのですが、コナギは水があると元気だが乾かすとおとなしく
   なる。

2回代かき法を真似してみました。
   苗代あとにコナギがいっぱい生えていました。水をたっぶり張って、トラクターの
  ロータリーを使って、代かきをしてみました。その後浮いたコナギを落水して出す。
  畔によったのは、レーキでかき出す。代かきは浅いのと深いのと両方しましたが、
   どちらもコナギが2週間は生えてきません。その後ちらはらと発芽してきましたが、
  稲には余り影響はなさそうです。代かきは、浅いとタイヤの轍が残り、土が水面か
   ら上に出てしまいました。そこは草だらけになりました。なぜカゴ車が必要か納得
   この方法は、来年、広い面積で試してみたいです。

  コナギの種は水の中であっという間に沈みます。発芽して葉っぱが出ると浮きます。
  実酎こやってみたので確かです。浅水にしたり、一度地表面を水から出したりして
   コナギを発芽させてから代かきすると成功しやすくなると思います。今まで草をい
  かに生やさないかで苦労してきたけど、この方法だと草をいかに生やすかの技術が
   必要になりそう。

最後にうだうだ
    いろいろ試してみましたが、どれも後で草が生えてきたので、絶望的になり暗
い気持ちなりました。だけどその後、あんまり草が勢いづかなかったり、除草機を通すこ
とで何とかなったようです。まだまだ除草機だのみで、成果と言えるところまでいってい
ませんが、いろいろやってみて、ヒントはいっぱいっかめました。
 とにかくしんどかった。もう来年はしたくないこともあります。だけど山下さんがせっ
かく世話役を買って出ているのだから何でもいいから何か出そうと頑張った。
 稚拙な表現ばかりで自分でも不満ですが、余裕がないのでここまで。
 何でもいいからとにかく皆さんの報告を楽しみにしています。

塚本さんが送ってくれた写真、代かきでプカプカ浮いたクログワイの芋.仲に、中身が空っぽになっている芋があるのがわかる.(7月5日訂正 プカプカ浮いているのは全部中身は空っぽの芋です)

(2000.6.25)

田んぼの水分を保って微生物を活性化
藤本肇(福井県鯖江市)
    (農文協「米ぬかを使いこなす」(1700円)から、了解を得て転載しました.
      なかなか面白い本です.ヒントがいっぱいもらえます.)

(1)秋、冬の湛水でわらの分解が進む
私は、稲を刈り取ったあと、春までずっと田んぼを乾かさないようにしま
す。イネの刈りあとそのまんま、切りワラが散らばる状態で水分を保ちま
す。排水口も閉めるし、暗渠の栓も閉める。雨が続けば湛水状態にもなるし、
雪解け水もそのまま。自然水をできるだけ逃しません。
 こういうと驚かれるかもしれません。でも、水田微生物を殖やし、その
活力を保つにはそのほうがいいというのが私の考えです。乾田化しては水田
微生物は死んでしまいます。コンバイ ン収穫後に出る切りワラの分解を進め
るためにも、水分をできるだけ保ったほうがいいのです (図6−8)。
微生物の働きが活発になることは、地温が上がることからわかります。雪
解けが早いし、ヒエの発芽も早い。雑草が早く芽吹いてくれれば、寒さに当
たって枯れる。そうでなくても、春に耕すときに渦の中にうない込んでしま
うことが可能です。
                                                           
 (2)湛水のまま春に浅く耕す                                       
ここ福井県鯖江市でも、一般にはケイカルなどの土壌改・艮材の施用とセッ
トになった秋起こしが勧められています。しかし、秋にロータリで深く耕す
ことが、田植え後しばらくして田んぼがわいて、メタンガスなどの有害ガス
が発生することを助長しているのではないでしょうか。秋起こし前にまいて、
ワラの分解を促進するという資材もありますが、私自身の経験ではあまり効
果はありませんでした。
 まいてもまかなくても効かない資材なら、まかないほうがムダな経費をか
けずにすみます。ついでに秋耕もしなければ、トラクタの燃料の節約になる
し、地球温暖化につながる炭酸ガスの発生もそのぶん減る。ロータリの爪も
長持ちします
 田んぽを干したいと思う理由の一つはロータリ耕をするためでしょう。秋
耕しないなら、干す必要もありません。
私の場合は、春も乾田状態でのロータリ耕はせず、いきなり代かき用のドラ
イブハローで浅耕するので、干す必要はまったくありません

 (3)砂質田ではモミガラで水分保持   
 水は表面にヒタヒタ程度あれば十分です。粘土質の水田では湿り気さえあ
ればよい。深水管理のような状態を続けるわけではありませんから、アゼが
崩れるようなことはありませんし、作業の面でも困りません。
 水分を保つのに厄介なのは砂質の水田です。砂質の田んぼの保水性を高め
るにはモミガラの施用が役に立ちます。
 わが家でつくる田んぼは借地を含めて二八町歩あります。それに調製作業
を請け負う面積が一五町歩。合わせて四三町歩分のモミガラを、秋から翌年
の春まで田んぼに返します。ダンプで落としながら広げていきます。とくに、
砂質の田んぼに多く入れますが、粘土質の水田に入れても、粘っこさが減っ
て土の切れがよくなるという効果があります。
 モミガラには発芽抑制物質が入っているといいますから、雑草の発芽を抑
える効果も期待しています。

 (4)代かき前に米ぬか、クズ大豆散布
 先ほど書いたように、春の耕転ははじめからドライブハローで耕します
負荷を減らすために水を三センチくらいためて、耕深は五セン
チを目安に浅く耕します。
その後、代かきを二回。代かきも五センチを目安に浅く。今年から、一回
日の代かき前に米ヌカを反当たり五〇〜六〇キロ、クズ大豆を反当たり二〇
〜三〇キロ散布しています(田んぼによってはクズ米も)。散布には、トラ
クタに付けたスター農磯の「ゆうきくん」という散布機を利用。この散布機
を使うと、タンクに投入した米ヌカやクズ大豆を、撹絆・混合しながらいっ
しょに散布できます。
 耕す深さが浅いので、ワラも、米ヌカやクズ大豆も表層に集中します。有
機物を表層で分解させることで、雑草の発芽を抑えることを狙っています。
ただしイネへの影響は少ないように、米ヌカやクズ大豆の施用は田植えの二
〇日前までに行ないます。
 また、二回目の代かきと田植えのときには、木酢液を反当たり二・五〜三
リットルずつ施用します。有機物の分解を促進し、除草効果を高めます。

(5)徹生物を増やして除草効果アップ  
 秋に耕さないうえに、春の耕耘・代かきも浅いとなると、ワラが浮いて苗
を押し倒すのではないかと思われるかもしれません。しかし、呑まで水分を
保った水田では、ワラは黒っぼく軟らかくなって、ペたんとつぶれたような
感じ。田面に張りつくような状態になっています。浮きワラで困ることはあ
りません。そこを浅耕すると、ワラは表層のトロトロの泥に閉じこめられた
ような状態になります。
一回日の代かき前に米ヌカやクズ大豆をまくこと、二回目の代かきや田植
え時に木酢液をまくことで、田んぼの表層がトロトロになって微生物がいっ
そう増殖します。こうしてあらかじめ微生物を殖やしておくことが、米ヌカ
除草 (私の場合は、田植えの7〜10日後に反当たり30〜60キロ散布)
の効果も高めると思います。

図6−9 藤本さんの田植えまでの田んぼの管理          

(冬)                  刈り跡のまま土壌水分を保つ
          ・モミガラ散布
(3〜4月)    ・渇水してドライブハロー浅耕
          ・米ヌカ50〜60kg,クズ大豆20〜30kg散布
 (4〜5月)   ・1回目代かき。浅く,田植え20日前に
          ・2回目代かき。浅く,田植え1〜7日前に。
           同時に木酵液2.5〜即施用
          ・田植え。同時に木酢液2.5〜3Z施用
         ※量は反当たり
(平成一一年記)


(6月16日)
お久しぶりです
クロクワイの続報です
トロトロしろかき、した水田なのですが
確かに草が少ないようです
トロトロしろかきと米糠除草併用の所はクロクワイ以外の草は
殆どありません、しかし、なかなか稲の分けつがとれてこない
ようですが、今年に関しては今のところ正解のようです
周りの水田(V字稲作)の田圃は平年の140パーセントの分けつ
が採れてしまい、これからが大変みたいです
クロクワイですが、表層近くに有る物はカラスや鴨が拾うみたいで
平年より少ないようですが深いところにあるものは今からが勝負です
 
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東農場   東 浩一
    tonton(アットマ)land.hokuriku.ne.jp
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(5月29日)
 田植えが終わりようやく一段落
ですが、ただいまクログワイと格闘中です
敵は何としぶといことか、こいつは米糠除草なんてへのかっぱ
どんどん出てきますこの草は球根で増えます、
一つの球根から2本から多い物で8本ほどの芽
を出してきます、何日かおきに次々芽をだし、その芽が大きくなると
次々に子株、孫株と発生しその株に数個の球根を作り1年で爆発的に増えます、大体
北陸では11月上、中旬まで増え続ける見たいです
除草剤もあまり効果が無く逆に他の雑草が無いと余計に増えるようです
除草剤を使わない水田ではあまり急激には増えないようです

球根は乾燥に弱いため一度畑にすると全くなくなります
繁殖方法は、球根で増えるため、トラクター、コンバインについた
泥と一緒に移動するようです、そのため泥がおちやすい出入り口や
水田内の枕地などから増えることが多いようです。

防除方法は
1) 夏場、畑状態にする
2) 冬場、プラウで反転し芋を地上に出してしまう (凍結させる)
3) 暮れ起こしを2回する
4) 8月中旬に刈り取れる極早稲を作り直ちに耕起する

等有りますがどれも私の所では上手くいきません
なにかいい方法ありませんか? 
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東農場   東 浩一
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(世話人より)
東さんがクログワイと格闘されています.
福井の塚本さんによると、除草剤は効きますよ、出芽前にやること、といわれます.
そこらあたり、どうなんでしょう、情報お待ちしています.
塚本さんのその後のお便りで、代かきでぷかぷか浮いたクログワイ、ほとんど腐っていたけど、中にしぶとく生き残ったのもあって、ざっと、1反にすると200個くらいはあるかなということです.

2000,5,30 塚本さんより
米糠を最適の状態で撒いたのに、田植え後10日目にして、コナギが出てきた.量は40〜50キロ.
ドジョウやタニシが死んでしまったので、米糠以外の方法を考えないといけない.

福井県の塚本道夫さんが電話で教えてくれました。(5月9日)

大麦を青刈して、代かきしたところが代かき水が一日2日のうちに赤くなったとのこと。
田んぼの水が赤くなったのは、初めて。
ライムギやコムギは、湿害に弱く、大麦は湿りに強いところから、青刈用に大麦を作ったそうです。
光合成細菌が繁殖すると田んぼの水が赤くなるとききますが、塚本さんのは、近年入れ続けてきた米糠の成果なのか、大麦がなにか作用をしているのか?
ライムギの青刈田は、赤くなってないそうです。
ちょっぴり、楽しみにしていい話ですね。
どなたか、ヒントになるようなことがあればお便りください。

塚本さんからの続報です。(5/13)

5月9日と12日、2回代かきをしたのですが、きょう田んぼを見ると、クログワイの芋がぷかぷか浮いていました。
ほとんど中は空っぽで、白く腐っているのもあります。
その田んぼは、大麦を青刈りすきこみしました。立毛中に、水を入れて、だぶだぶにしてすきこんだのですが、そのせいではないかと思っています。
去年、クログワイを繁茂させてしまったので、芋が腐ってくれてとてもうれしくなりました。

大麦の播種は10月初旬、4月の初めころに田んぼに水を入れて、しばらく(7〜10日)おいて、大麦が立ったままロータリ−をかけました。耕深は、15センチくらい。その後は、水を入れっぱなしです。
おそらく、イタリアンライグラスのサクラワセでも、また、発酵鶏糞でも同じ効果が期待できるのではないでしょうか。
田んぼの観察、続けて見ます。

なお、この間の、田んぼの代かき水が赤くなった話、あれは、洪水で山土がだいぶ流れ込んだ田んぼだったのですが、そのせいで、光合成細菌が繁殖したのかもしれません。自分の田んぼほどではありませんが、近くで、一部赤くなっている田んぼがありました。



ようやく、田植えも終盤にさしかかっておりますが、そちらの方はどうですか?
 今年は、PKマグの肥料で茎肥をやってみようとおもっておりますが、
単肥を混合して見たいと思っておりますがどのような肥料を、
どれだけ混ぜたらいいのか判りません教えて下さい

また単肥混合より安い物があればありがたいのですが

クログワイで、苦しんでいる一人なのですが、
私の周りの水田はクログワイで稲がコンバインで刈れない
ところも結構有るようです、私の所の水田でも増えてきて困っています
よい防除法があれば良いのですがなかなかありません、
どうも、コンバインやトラクターについて、ドンドンひろがっているようです
なにせ除草剤でさえ効かないみたいです

今年水をたっぷり入れてのシロカキで芋がけっこう浮いていましたが
落水しても芋だけはしっかり残っていました、そのあと面白いことに
カラスがきて結構拾い上げていたようで、表面に露出した芋だけ
無くなっていました、がこんな事で無くなるようなものではないでしょうね。
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東農場   東 浩一
    tonton(アットマ)land.hokuriku.ne.jp
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東さんのメールのすぐ後、福井の塚本さんよりクログワイについて続報 (5/17)
代かきで浮き上がったクログワイ、ほとんどは腐って、からになったのが風下に吹き寄せられたのだが、一部は腐らず芽を出している。普通は、日光にあたって葉緑素を作り緑色になっているはずなのに、白いままだ.これはどういうことだろう。
障害を受けているのだろうか?
あと一月ほどすれば、はっきりすることだ

塚本さんより続報(5/20)
大麦を水ずきした水田のことですが、もう1つの、洪水もなく(山土の流入がない)、除草剤を使いつづけた水田ですが、そこでもやっぱり赤いというより赤茶色になりました.程度の差はありますが、大麦または緑肥の関係がありそうです.
原因は不明です.その功罪も不明.今は、その詮索をする余裕もありません.

昨年、ライ麦をすきこんだ水田は、上が少しクリーム状になりました.
EM農法の人たちが、EMぼかしを散布した後は、しっかりクリーム状ですが、あそこまで入ってないものの、1回の緑肥すきこみで確実に土は変わってきています.

今年、大麦をすきこんだ水田は、いつもなら、代かき後何日たっても泥水で濁っていたのに、代かきの翌日には澄むようになりました.水は、真っ赤です.


塚本さんからの続続報(5/24)
「クログワイ、ほとんど腐ったけど、生き残った芋が根付いています.いわゆる、効果ありという程度ですね.
拾って歩けばいいのだろうけど、大面積になるとそうもいかないでしょうしね.」
「代かきした後、米糠をふって田植えをする予定だったけど、疲れてしまって、結局5アールだけのテストになってしまいました.代かき後、5日目ですが、効果は期待できそうです」


はじめに
 最初にアンケートに対するご返事がたいへん遅れたことを深くお詫び致します。山下さんの頑張っておられるようすを知り、たいへん励まされています。同時に、私もその仲間の一員に加えていただけることに対し、ほんとうに感謝しております。これ
からながァいおつきあいが出来ることを楽しみにしております。

 名前       牧田孝允
 生年月日    1993年2月11日生 57才
 住所1      石川県 能美郡辰口町倉重甲34番地
 勤務先     農事組合法人アイ・ケイ
 電話番号1   0761-51-3587(自宅)
 電話番号2   0761-57-7072(勤務先) 
FAX 0761-51-7073(勤務先) 
Eメール    iknominr(アットマ)quartz.ocn.ne.jp
ホームページ   現在持っておりません

@ 経営内容
 水稲1.5f 転作田20e(割り当て面積100l実施していません)。大豆中心に若干露地野菜を作っています。米・大豆は全量産直しています。野菜はほとんど自家消費です。

A 無除草の圃場
 現在60e  今年より全面積(150e)の予定

B いつから始めたか
 私の場合、10年ほど前から深水栽培に興味を持ち、2〜3年に1回除草剤の使用
(圃場の条件によって量や間隔を決めていた)に取り組んで来ました。もちろん、最
近「トロトロ層の形成」と云われている2〜3回のしろかき法も取り入れていまし
た。ところが、最近コナギが増え始め、3年前から、どうしても完全無農薬栽培をに挑戦したいと思いはじめた事もあって、米ヌカ除草を併用し、昨年60eだけ成功しました。そこで、今年は全耕作面積の成功をめざして取り組んで行こうと思っています。
 したがって、いつから始めたかといわれれば昨年からになります。

C 無除草栽培の動機は
 そんなに深い動機はありません。しいて云えば、いかにコストを低くおさえるか
(除草剤や農薬の経費にしめる割合が肥料に比べていかに大きいか)だったように思います。もちろん、潜在的に農薬付けの農業に対する疑問を持っていたことも引き金になっていると思っています。
 特に昨年3月、私たちの仲間を中心に地域で、稲葉先生に講師をお願いし「誰でもできる無農薬・有機栽培講座」を開催して、その反響の大きかった事や、先生の無農薬・有機栽培にかける思いや太茎大穂のイネつくりの技術論など感銘の深いものでした。そして、農業における環境汚染の問題や、私たち農民が農耕を営みはじめた弥生時代から築き上げてきたといわれる日本の農業が、「市場原理と規模拡大こそが日本農業の生きる道」とする農業政策のなかで、ますます食料と農業・農村の破壊が進行しているのを見るにつけ、「無農薬・有機栽培」「太茎大穂のイネつくり」がアジアモンスーン地帯における古来の農業を守り発展させなるんではないだろうか。そのことが、地域の活性化・日本の活性化に結びつき、環境汚染や環境破壊を守って行くことになるんではないだろうか。最近そんな大きな事を考えながら無農薬栽培に取り組んでいます。

D どんなやり方をしているか(昨年の場合)
イ.深水管理
ロ. 2〜3回の代かき(荒起こし無・ドライブハローにて半不耕起)
☆ 田植え3〜4日前に代かきしたものがコナギの発生ほとんど見られなかった。
ハ. 米ヌカ主体の除草
☆ 1回目代かき前に米ヌカ40s散布
☆ 田植え1週間目に米ヌカ30s流し込み
● 30e100bの圃場でいえば、高いところの土が見えるくらいのひたひた水の
方が8pあまりの水位になったとき、ほとんど全域に米ヌカが広がった。除草効果もよかった。
● 水が3〜4pくらいのややおおめの水管理をした圃場では、水口で米ヌカが渦を巻き、ごってり水口に米ヌカがたまってしまい、1週間ほど悪臭が漂い近所の人
に迷惑をかけてしまった。しかも、水口付近の苗まで枯れてしまい、3回くらい補植した。
また、米ヌカの広がりも悪く、後で一部除草剤を使用したところもあった。
ニ. 今年新たに取り組んで見たいこと。
☆ 米ヌカ等ぼかして使用した方が効果が高いという話もあるので、ぜひ試してみたい。
☆ 田植え前の代かきの時にも有機物を入れようと思っている。現在考えているのは、米ヌカ・くず大豆・くず米を混合、発酵させたもの。量をどのくらい入れるか検
討中です。(除草効果だけでなく活着肥的なものもねらって)

EF の工夫していること・苦労していることについて
 私自身、そんなに工夫するとか苦労するとかの感覚があまりないのですが。結構楽しんでやっているせいか、失敗すれば、来年また考えよう!なんてくらいの思いで気楽に取り組んでいます。除草の事ではないんですが、昨年、露地プール育苗に初めて挑戦して、みごとに失敗しました。(なんと、もやし状態で発芽してしまい、本葉が展開するまで緑化しなかったのです。しかも発芽状態も非常に悪いものでした。) 一時はどうなる事やらと思っていましたが、5月30日無事(あまり無事ではないのですが)植え付けが出来ました。その後の成長は順調で、かえって収量が多かったようです。
私たちの地域では、大規模農家でも、5月中旬遅くとも20日までには植え付け
は終わっています。かえって、まわりの人たちがやきもきする始末でした。深水栽培を始めた頃からそうなんですが、少し変人だと思われ、最初はいろいろ云われましたが、最後の収穫時の結果がよいものですから、3年もすると理解者(仲間)も増えましたし、まねは出来ないが彼のやり方がほんとうのイネづくりではないか、と応援してくれるひともずいぶん出来ました。しいて云えば、そんなことが工夫であり、苦労なのかもしれません。

G やりたいこと、訴えたいこと、相談したいこと
 これまでの設問で、端々に書きました。私が深水栽培に取り組み、極力農薬減らそうと努力して3年目、6月下旬私のたんぼだけに、なんと赤とんぼがいっぱい飛び交っているのを見ました。ほんとうに感動しました。それまで、6月にヤゴが脱皮しとんぼになると云うことを知りませんでした。「赤とんぼの一生」という絵本を見る機会があって、秋に飛び交う赤とんぼは、6月にヤゴが脱皮しとんぼになり、いったん山間部などで過ごし、秋になると再びたんぼに帰ってきて産卵するのだと云うことも知りました。そして、翌年ヤゴの脱皮するところや、どしゃぶりの日の赤とんぼの雨宿りも見ました。
山下さんのメッセージを読みながらそのことを思い起こしました。

 最近、「地球環境から土を見ると」(農文協)という本を読みました。地球が生ま
れて45億年。地球に生物が生まれて35億年。そして現在のような土が出来て4億年。長い地球の歴史のなかで生まれた現在の土が、わずか200年たらずの人間がつくりあげた近代文明とやらによって、おそるべき勢いで土地の砂漠化が進み、植物や動物のみならず微生物すら住みつかない土になりつつある。そんな内容の一節がありました。昨年1月31日放映されたNHKスペシャル「世紀を越えて」のなかで、地球規模で砂漠化が進み「塩が吹き出す砂漠」の映像が浮かんできました。
 いま、私たちが取り組んでいる「無農薬・有機栽培」。一人ひとりにとっては小さい事かもしれません。でも、きっと長い歴史のなかでは、大きな力になるんではないだろうか。そんな思いがしてならない今日この頃です。

 技術の問題。たいへん大切だと思います。どんなに理想を持ったとしても、技術が向上しなければ、進歩も発展もなく、理想にも近づけないと思っています。私も技術の問題について、おおいに議論もし、交流もしたいと思っていました。そんなときの山下さんからのメッセージ、たいへんうれしく思い感謝しています。ぜひ、みなさんの仲間の一員になれますようにと願いながらメッセージを送らさせていただきました。

山田忠紀
石川県羽作郡押水町竹生野40
TEL&FAX 0767-28-3511


(経営)
2000年度、水稲3,3ヘクタールのうち85アールは減反。直畔15アールは動粉でばら撒き。
全量計画外ですが、去年は食糧事務所の検査を受け、カルゲン米として出荷しましたが、直売を始めました。秋までつながるか、途中で米が切れるのも、お客様の了解の上でのこと。理由はJASの認定がらみでのことです。
 
有機U型は、30アール。今年2作目に入ります。
去年はまったく除草剤を使わずにできた田んぼは、U型以外に10アールのが一枚ありました。
これは、ドライブハロー一回のみの半不耕起で、この田んぼは、中干のころになると、上の田からの漏水がひどく、有機U型(コシヒカリ)にはむきませんが、有機無農薬は可能な田です。

(取っ掛かり)
コンバインのいれにくい田んぼで、不耕起栽培を2年ほどやった。ラウンドアップが、半不耕起で止められた。
鯖江の藤本肇さんに会い、また、藤本さんを招待したルート8稲作研究会、などで、種子消毒の問題が解決した。 


(工夫)収穫後の管理のひとつとして、遅く実ったヒエの実を火炎で焼却すること、漏水防止のためにするアゼマルチくらいです。


野口弘文
富山県高岡市二上2371
TEL 0766−24−7848

(経営)
1haあまりの水稲一本で農業です。家内と二人暮しで、家内はパート勤務。二人とも年金生活(68歳と64歳)者で、細々との生活です。でも、稲作には人一倍(?)の意欲を持って取り組んでいるのですが、、、、、確かに、人の収穫より多くはあります。コシヒカリ一辺倒ですが、倒れやすいコシヒカリを倒さないで収穫するのに努力しています。坪当たり45株、反当り20枚で生育させると倒れません。

(除草剤について)
除草剤を使わずにの方向へと考えて、鯖江に出向いて、講義を聴き、シンポジウムの記録ももらって読み、稲葉先生の著書も読んで感じていることは、小生には無理と思えるのです。
 第一、成苗二本植え、40グラムから60グラム播きとあり、現在小生は、浸種もみ90から100グラムで筋蒔きし、苗を作っている(3,5葉)
無加温平置き育苗(トンネル)。去年より、プール育苗へと切り替えてやっています。が、だいたい3月播き、5月連休植えと決めての作業なのです。
 昨年は苗代期間中の気候が温暖だったのでうまい具合いに苗が仕上がったのですが、今年は寒く、天候が悪いので、今年は5月連休植えは少し無理ではなかろうかとも思案中

(苦労など)
 除草剤を使わずに稲を育てるには、深水と米ぬか等とありますが、苗を丈夫に育てることが第一かと思っているのですが、4、5葉にするのに、40から60グラム播きとある。このようにうす播きにすると、欠株の発生が大ではなかろうか、心配です。後ほど手直しに入る女衆に小言がハハハ、、、、ましてや除草剤なしの稲を育てるなんて、草との対策、あとあとのことが心配で踏み切りがたいものがあります。
 自分の田で、水持ちの良い田なら、除草剤は、通常の半分で済ませています。 
 しかし、気候的に、5月連休植えに、4,5葉苗にするのは、北陸地方では無理ではなかろうか。5月中旬頃の田植えで、4,5葉に仕上げての田植えなら、除草剤なしでもうまく行くことができるかもしれません。
 問題は、5月中旬まで田植えを待てるか。、、、、、、私自身の問題です。
藤本農園の対策に感じ入ってます。


塚本道夫
福井県遠敷郡上中町日笠12の4

今年の試み。
1.植え代かき終了後、米糠、なたね油かすなどを散布。そのまま田植え。

   動機 町内の人から、EM農法の人が代かき後、3日、ボカシを散布して、
       とても効果的だったと聞いた。
       コナギは、発芽後すぐであるほど阻害されやすいと、どこかに書いて
       あったような気がする。
                                       おわり。

  (以下、手書きで、次のメッセージが添えられていました。山下)
あと、別バージョンがないわけではありませんが、基本はこれなので、書きませんでした。それに私のことなので、これしか実践できないのではと思っています。
とにかく、忙しいので、ここまで。結果を楽しみにしててください。きっといい結果が出ると思います。     By
    
  (以下は、世話人の注記です)
 アンケートを送って、まもなく、塚本さんから電話がありました。「書きたいことは、今までやってきたことじゃなく、今年やろうと思っていることなので、アンケートの回答は、その結果を見てからでいいですか」
「そのやりたいと思っていることを書いてよ。後で、今年やってみてどうでしたか、というのも聞きたいと思っているので」
ということで、書いて送ってくれました。
 僕は、書き出したら、馬のしょんべんみたいになってしまうほうですが、塚本さんは、その反対で、何ページも書いて、点検していくうちに文章を殺いで殺いでしてしまうタイプのようです。
 植代を掻いてすぐ、米糠などを手で散布、そのままその上に田植えをしようということだそうです。
「苗の痛みはどうだろう」
「多分、大丈夫だと思うけど、だめだったら、また種を播きなおしても間に合うから」
 うまく行けば、画期的なことです。作業手順が、とても楽になります。結果がとても楽しみです。
塚本さん、次の報告、首を長くして待っています。
 そうそう、塚本さんは、こんなことも教えてくれました。民間稲作研究所の40グラム播種機、4,5ミリなんですが、塩水選をきつくしては種をすると能率が悪くなって困った。ことし、ドリルで4,6ミリに穴を大きくしたら、とても楽になった、とのことです。ご参考までに。

(世話人から その2)
福井、石川、富山の三県は、除草剤を使わないイネ作りの「宝庫」ではないかと思っています。
隠れ忍者の里じゃないけれど、猛者がいっぱいいそうな気がしています。
唯我独尊、わが道を行くというか、人知れずやる(オープンにしないで)というタイプの人が多いみたい?
「山下さん、パソコンなんかいじってないで、そんな暇があるなら、遊びにおいでよ。酒でも飲みながら、ああだこうだとやろうよ」と、のたまわった能登三井の松本さん。7ヘクタールを無農薬無肥料で、7俵(コシヒカリ)とっている。アンケート送ったけど、返事書いてくれるかなあ。


河崎宏
〒915−0006 福井県武生市杉崎町11−44 (マルカワ味噌(株))
TEL 0778−27−2111  FAX 0778−27−2887
Eメール marukawa(アットマ)lilac.ocn.ne.jp
ホームページ www.hokuriku.ne.jp/marukawa/  (リンク 可)

(経営)
元来、味噌醸造業だったのですが、農地があったので、限りなく自然、天然に近い原料を用いた味噌作りを目指しており、92年より、オーガニックで米、その後ダイズ野菜なども行っております。
イネは草取りが大変ですが、とてもおいしいお米が取れます。
除草剤を使わずに、63アール。92年より始めました。動機はどうしてもやりたかったからです。
EM農法でやってます。

(工夫) 深水栽培、ドライブハローでの耕起。


黒瀬顕治
福井県吉田郡松岡町下合月31−10
TEL 0776−61−2762
(農業 定年退職のあと)

(経営)水稲 コシヒカリ、120アール(への字稲作90アール、有機稲作30アール)
        ヒデコモチ、10アール
     転作 レンゲ、ソバ 45アール  野菜など 5アール

除草剤を使わない有機稲作は、30アール。植えつけ後(5月10〜20日)米糠を100キロ/10アール散布(除草効果用)
また、その田は、米糠を秋耕(10月上旬)時、および春耕(4月下旬)時に、それぞれ、100キロ/10アール散布(肥料用)

有機稲作の米糠除草は、平成9年、20アール、10年30アール、11年30アールと実験と経験を踏まえ、拡大してきた。
12年は60アールの予定です。
11年はちょっとした油断から、田面が露出してしまい、20アールの田んぼ一面にコナギがまん延し、手押し除草機や手取りで苦労しました。
深水管理の畦畔の大切さが身にしみました。
 平成5年からやっている、への字稲作の延長線で、まず自家用飯米だけでも、無農薬、無化学肥料にしたい。子供や孫たちの健康を祈る気持ちと、自然環境を、まず自分自身の実践で守っていきたいと考えたからです。
 
5月10〜20日ころに散布する除草用の米糠は、一袋(15キロ)200円で購入しています。それを7袋/10アールの見当で、アゼに配置し、肥料桶に入れて、田んぼに入り、あらかじめ目安棒で区分した区画に、できるだけ均等になるように手で散布しています。
米糠を手で散布するとき、風が強いと水面を流れてしまうので、風上から撒いています。
代かきは2回しています。
1回目と2回目の間隔を10日くらいあけるようにしており、1回目で発芽した雑草の目を泥に入れてしまいます。なお、2回目の代かきの翌日、田植えを実施します。

(苦労) 米糠を、水田に散布するのが大変です。何かいい方法はありませんか。
水口からの流し込みもやってみたのですが、20アール以上の田んぼでは、均等にならず、むらになる。
ボカシもやってみるが、やはり散布に、水田に入ってするのが大変苦労する。まだ生の米糠のほうが楽です。
(相談) 米糠のペレット状のものがあるようですが、その価格は?また、動力散布機が使えますか?

米の直販はやってません。やはりJAとの関係を無視できないので、現在はすべてJAへ出荷している。
耕作面積と比べ、JAから肥料や農薬を買うのが少ないので、ご機嫌が良くないようですね。

(世話人より  4/1)
ほんとそうですね。米糠はなかなか面白い素材なんだけど、かさだかくて、もうちょっと楽につかえる方法があればなと、思います。

さて、ペレットの値段ですが、大型農家が大量に仕入れる場合は別として、僕や黒瀬さんあたりの規模では、15キロ一袋で1300〜1500円くらいじゃないでしょうか。動散で散布できます。ペレットが流通に乗り始め、もっと安くなれば、面白い素材で、抑草に活躍してくれるように思います。
去年、反当150キロ、動散 で散布したのですが、初期の抑草には、米糠より効果的でした。
米糠が、水に溶けながら沈んでいく、いわば、米糠のとぎ汁のような形で作用するのに対し、ペレットのほうは、水底に沈んでから拡散し、土壌の表面に膜を張るような形で、土壌に作用する。その違いがあるのじゃないかと僕は思いました。愛媛大学農学部の嶺田先生や上野先生が実験しようかといってくれたのですが、間に合いませんでした。(嶺田先生、今年は期待してますよ)ペレットでなくても、湿った米糠でも同じような拡散の仕方をします。
湿らせた米糠を一輪車に載せて、畔からばらばらと投げ込んでも20アールの田んぼくらいならやれるかもしれない。(これは割と早い)。もし真中どころが届かないようなら、 「現代農業」(1999年8月号?)に紹介されていた「背負式散布機」(手作り)で歩く方法もあるなあ。

みのる産業の九州支店(TEL 092−921−6006)が、みのるの田植機の後ろに、田植えしながらペレットを散布していくアタッチメントを試作(販売?)しています。
以前電話をしたら、担当者が、福岡県糸島郡の環境稲作研究会に近しい人で、自身も米糠除草をやっている人でした。
生の米糠も散布できるように改良されたら、使い道も広がるし、高い(20数万円?)ものではなくなくなるのになあともちかけました。EMの人から、ボカシも散布できるようにとの要望が多いですと言ってました。もしかしたら、ボカシが散布できるように改良されているかもしれません。
 
それと、福岡県の薄国彦さんからお聞きしたこと。宮崎大学農学部の先生が、畜産の飼料に使うヘイキューブ(?緑色のペレット)を散布して、抑草効果があったとのこと。畜産農家のルートならヘイキューブは、格段に安く手に入るとのことです。(ご参考までに)
(世話人より 4/3)今日届いた「現代農業」(5月号)を見ると、ヘイキューブは勘違いで、アルファルファでした。宮崎大学の続栄治先生です。


長津正男
新潟県西蒲原郡巻町天神町1655−2
TEL 0256−72−3664  FAX 0256−72−1784

(経営)
すいでん3ha,畑(自給)20a,肥育牛10頭,ニワトリ20羽

除草剤を使わずに,3ha。昭和48年ころから取り組み始めた。
高度成長に伴い,減反,金のかかる農家より,複合的に,しかも金のかからない農業を目指し始めた。
そのころから,年々,多肥(化学肥料,農薬)になっていき,しかも稲の成育が劣しく,特に根の生育が害されていった。
これらは,化学肥料や農薬に土が害されていることを知る。
麦は肥料で,イネは土作りのことを思い知らされる。
化学物質は便利だが,これほど怖いものはないことも。

(どんなやり方)
いろいろな化学物質を施用している中で,一つ一つ,農薬や肥料を施すことをやめていった。
昭和52年までには,除草剤以外の農薬は,皆やめても,病害虫の被害はほとんどない(農薬を使用したところと変わらない)
栽培方法も,深水栽培に変わり,動力除草機,てどり等で,年々,無農薬水田の面積が増えてきた。

(工夫)
深水栽培はもちろんですが,3年前より,プール育苗(80グラム条播)で,40〜45日苗を作っている。
また,米糠の利用等で,年々除草効果が現れている。
成苗二本植研究会に入って,勉強させてもらっている。

(苦労)
堆きゅう肥施肥に伴い,ナギ等の発生が見られ,まだ,手取りは欠かせません。
二度代かき等も考えておりますが,もっと勉強しなければと思っている。

(メッセージ)
農家同士,府県は違っていても,考えていることは同じ。もっと交流を望みたい。



From: 百姓道 てんけい農園 小宮山 天経 <tenkei.nouen(アットマ)nifty.com>
To: <yamachan(アットマ)jeans.ocn.ne.jp>
Sent: Saturday, April 01, 2000 12:23 PM
Subject: お手紙ありがとうございます。


>  山下さん、覚えていますか。1月の全国交流会
> に参加した、長野の小宮山天経と申します。
> この度は、ホームページ開設おめでとうございます。
> 私は、6年前に長野の望月で、新規就農したまだまだ
> 日の浅い、未熟者です。これから、色々と稲のことや
> 農業の事など教えて下さい。
> さて、とりあえずアンケートをメールで送ります。
>  
> 名前  小宮山 天経
> 住所1 長野県
> 住所2 北佐久郡望月町布施4690
> 勤務先 自営 てんけい農園
> tel/fax0267−52−2460
> mail:tenkei.nouen(アットマ)nifty.com
> ホームページはまだありません
> 掲載すべてokです。
> 1 畑2,5ha 田24a全部有機栽培。
>   販売先は主に関東を中心とする個人消費者へ宅配便で届ける。
>   また、いくつかの自然食品店、スーパー、直売所にも出荷。
>
> 2 全部の田です。といっても2反2畝ですから。
>   でも、標高が950なので、米づくりにはあまり適して
>   いるとは思えませんが頑張りたいです。
>
> 3 5年前からです。
>   毎年、手押しの除草機と手取りでやっていますが、草に負けています。
>   また、鯉を入れたりもしたのですが、僕の地域は用水が細いので、深水
>   にしていたら、下の人から水がこないと思いっきり、怒られました。
>   ちゃんと、下に回していたのに・・・水位が高いのが気になったんだと
>   思います。
>   僕は、始めた理由は昔、高校時代に友人と家庭菜園を始めたのがきっか
>   けで絶対百姓しかないと思いました。有機農業しかないと思いました。
>   そんな夢を追って、長野へ来たのですが、生活を賭けた農業は半端じゃ
>   なかたです。資金は65万円しかなくて、土方にいきながらやったり、
>   かみさんにはパートへ出てもらったり、本当に最初の2,3年はきつか
>   ったです。今でもきついですが。
>   
> 4 僕の場合は稲より畑が多いのですが、無農薬有機にこだわる理由は、自
>   分の信念というか意地みたいなものが強いです。じゃなきゃ環境を守る
>   使命だけならこんな割の合わない事続けられなかったかもしれません。
>   ちょっと不純かな?でも、やっぱり楽しくて生きがいを感じるからかな。
>  
> 5 稲葉先生の話を聞くまでは、100グラムまきで苗作りをしていて、こ
>   れでも薄い気がしたのですが、今年は40グラムで成苗2本植えにして
>   米ぬか除草にも、深水にも、病害虫にも勝つようにしたいです。
>   とろとろ層づくりは、代掻きが雑なものですから、もう一歩というとこ
>   です。今年は深水にして代をかき、2回目の代かきを、丁寧に高速回転
>   で頑張ってみようと思います。また、民間稲作研究所でいただいた、赤
>   浮き草を増やして田んぼで増やしてみたいと思います。昨年、浮き草の
>   たくさん出たところは、草も比較的少なく、また稲の出来栄えも良かっ
>   た気がします。
>
> 6 コンバインもないし、はぜかけも面倒だと思い、からからに田を干して
>   からバインダーで刈り、そのままハーベスターで脱穀した。天候が良け
>   ればうまくいく気がするが、やや湿っぽいもみもありました。やっぱり
>   基本の手抜きは駄目ですね。
>
> 7 標高950メートルの田なので、水は綺麗なのは良いのですが、水が冷
>   たく、また、冷害をとても受けやすいところなので、ある程度の初期生
>   育を確保したいところです。超高冷地には信交配488号が良さそうで
>   す。また、ひとめぼれの突然変異の長寿錦も試してみるつもりです。
>   
> 8 これまで野菜ばかりに力を注いできたのですが、やはり日本人の主食で
>   ある米づくりにもこれからは、力を注ぎたいと思います。僕は技術の探
>   求は大好きです。民間稲作研究所やそこに集まる方々の、熱心で前向き
>   な姿勢に大変勇気づけられました。そして、山下さんがこのような企画
>   を実現していただいたおかげで、僕のような素人も入りやすく、また、
>   勉強になります。これからも色々と超当たり前の質問とか、するかと思
>   いますが怒らないで教えて下さい。
> てんけい農園 百姓道
> 384−2203
> 長野県北佐久郡望月町布施4690
> tel/fax 0267−52−2460
> 小宮山 天経・奈穂


萩原紀行
長野県南佐久郡八千穂村大字八郡1356
TEL&FAX 0267−88−2952

水稲45アール,野菜155アール
宅急便での直売が中心.小売店や学校にも出している

(除草剤を使わずに),水稲は全て.昨年までは35アール,今年は45アールです.
減反が57%で苦しんでいます.
2年前,脱サラして,埼玉の金子さん宅で1年研修して,八千穂に入りました.
昨年初めて,自分で苗をつくたところ,発芽に失敗し,結果的に薄まき成苗になってしまいました.
仕方なく田植えしたところ,標高900メートルの田んぼで,11俵/10アールくらい取れてしまい,びっくり.ただ,草は,35アールという狭さなので,手で完璧にとれました.
そして,たまたま東京で民間稲作研究所の討論会に出たところ,成苗二本植を知り「うーん,あの失敗が良かったのか」と,驚きました.

まだルーキーですので,工夫というほどのこともありません.
今年は,東京でのセミナーの例を参考にしてみようと思っています.
「苦労していることは」減反ですね.また,全て借地で,道路の建設予定もあったり,先行き,見えません.
仕方ないですけどね.
減反は,いつの日にか,ブチ破ってやるしかないかなと思っています.

米の価格を何とかしたいですね.
絶対安いですよ.スーパーで10キロ3500円くらいで売ってたりしますけど,一人1年間で60キロ食べるとしたら,21000円ですよ.高校生が3日もバイトすれば,1年間の主食が手に入ってしまう.
食べるために必死だった時代のほうが健全かも.

(4月25日FAXで届いたメッセージ)
先日は、「除草剤を使わない稲作り」のホームページのプリント,送っていただきましてありがとうございました.
新規就農3年目の春で,まだわからないことだらけなので,とても勉強になりました.
こちら長野は,昨夜は零下になり,遅霜がある5月20日までは,防霜に気を使う日々です.
本当にありがとうございました.